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Fablic,Incを退任しました

少しブログに書くのが遅くなりましたが、今年の6月末をもって創業したFablicと楽天を退任させて頂きました。
起業を決意し、2012年4月に一軒家で創業してからおよそ7年となります。

創業当初は泥臭くユーザーの話を聞き、カスタマーサポートの返信に追われる日々でしたが、最後は国内でも単月3桁億のGMVを誇るサービスに成長させることができ、最初は想像もつかなかったような様々なことに挑戦させて頂くができました。

不思議と辛かった思い出ばかりが浮かんでくるのですが、ユーザーとプロダクトに真摯に向き合うカルチャーが創れたこと、そんな文化を慕って集まってくれた仲間には本当に感謝の言葉もありません。

2年間在籍させて頂いた楽天というベンチャーにも少し触れさせて頂くと、三木谷さんを筆頭に強いカルチャーが脈打つ大変に骨太なベンチャーでした。

何かしらを学んでやろうと意気込んでいた自分も、一番強烈に感じたのは「成功ベンチャーに薄いカルチャー無し」と言えるほど、楽天らしさを徹底した人々が溢れており、それはある種カルト的に目標を達成する事に執着した組織でもあり、本当に独自の文化を築き上げていました。

個人的には経営会議で英語でプレゼンさせて頂く機会を頂いたのも大変度胸が付く経験となり、唯一惜しむらくは自分の英語力がさほど向上しなかったことぐらいでしょうか。

最後にFablicが成し得た仕事を少しご紹介させて頂くと、

フリマアプリの売上をオフライン・オンラインで利用できる世界

フリマアプリ「ラクマ」の売上を楽天Payにチャージすることでオフライン、オンラインの加盟店で決済することが可能になりました。

買収時のTechCrunchの取材でも掲載いただいておりましたが、メルカリが「メルペイ」というプロダクトにおいて、ユーザーがメルカリ内で稼いだ売上金をメルカリ外の決済にも使えるスマートフォン向けウォレットサービスを軸とするとされていることからも、機能自体は全く同じ構想のものを先立ててリリースできたのかと思います。

rakutenpay01

自分達がこの構想を描く上でも最も強力なパートナーが楽天であり、理由は加盟店の多さが物語っているかと思います。

売上を楽天キャッシュという電子マネーに交換する形になりますが、ローソン、無印良品、ドミノピザ、TOHOシネマズなどで利用できます。
もちろんみんな大好き「楽天市場」でも利用できます。
自分は毎日ローソンで特茶を買い、たまにTOHOシネマズで映画を観ます。

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この先、LINE Pay、楽天Pay、PayPay、メルペイと続々と決済プレイヤーの戦争が激しくなり、各社ポジション取りをどうやっていくのか大変に興味がありますが、フリマアプリ「ラクマ」がその戦争の飛び道具の一つとなってくれると大変嬉しいです。

Google Play ベストオブ 2018へのノミネート

googleplaybest2018今年ほど結果という意味で選んで頂いて嬉しい年はこの先もないと思います。
メルカリという今や巨大な競合に対して、ラクマメンバーが単に努力といった言葉では表現できないほどの、泥臭さ、憤り、数字を乗り越えた上での結果が、このような形で返ってきたこと、7年間、自分もこの組織のメンバーであれたことを心の底から誇りに思います。
(もしご利用頂いているユーザーの方がいらっしゃれば是非、投票頂けると嬉しいです。)

自分の今の気持ち

この数ヶ月は決められた目標もなく穏やかに過ごしていたのですが、
やはり自分の中では悔しさと憤りに近い悶々とした気持ちがずっと残っており、それはフリマアプリと呼ばれる、一時は時価総額8,000億を超えたインターネットの歴史に間違いなく名を残せた10年に一度のプロダクトを発明できたにも関わらず、その会社を経営できたのは自分ではなかったことです。

起業当時は26歳だった自分も、30代はこの悔しさだけで何も必要ないほど、ハングリーな気持ちで突っ走れるというのが正直な気持ちです。
幸いなことにメルカリさんがCMをやる度に「やる気」が満ちてくるので嫌でも忘れずに済みます。

人が欲しがるものを創り続ける

最近はフリマアプリのようなユーザーから支持されるサービスを再現性を持って創り続けるにはどうすればいいのかということを日々、自問自答しています。
もちろん小さなインサイトを拾っては、どういった発明ができるか、スケールするのかなど、考えることは尽きず、全てが納得いく状況だと思えることは難しいなとも感じます。

そんな中、個人的なリハビリも含めて「ANGEL PORT」という「エンジェル投資家と起業家のマッチング」のサービスを新しく創りました。
メンバーはFablicの創業メンバーで分身(双子兄)の@yutadayoとかれこれ10年以上一緒に仕事をしている相棒の@takejuneの3人です。

angelport

フリマアプリ「Fril(フリル)」も3人で創った3作目のプロダクトで、なんだかんだ何か手を動かして事業なりプロダクトなりを創っているのが性に合ってるなと思います。

「ANGEL PORT」を創ったきっかけはリリース文に記載しているので、詳しくは割愛するとして、自分が最近、少しずつエンジェル投資をする中で思うのは、自分自身を更新し続けないとアドバイスできることなど何もなくなるということです。

この業界一度落ち着いてしまうと、すぐに老害認定され、リブート期間長いと勝負をしないやつとなってしまう。
これまでの実績など何もなかったかのように、持たざる者として挑戦していき、自分を更新し続けないといけないと強く感じます。

改めてANGEL PORTに限らず、これからも自分を更新するために「何かを生み出し」ていこうと思います。