今日はとても悲しい日だった。
本当にとても悲しい日だった。
そんな兆しは1%ぐらいしかないと思ってた。
事業部長が辞めることを知った日だった。
午前中、営業に向かう電車で本を読んでたらコツンって
頭をつつかれた。
東京に会社の人以外で知り合いがいるわけもなく、
誰かと思ったら事業部長だった。
時間的にも出勤時間はとっくに過ぎているし、
電車の路線も会社と全然、別方向。
おかしいなぁと思いつつも
僕
「うわーびっくりした!めっちゃ偶然ですね!
あれ部長は取材ですか?今から会社?」
部長
「あーちょっとね…。本間に偶然やなぁ。」
そんな会話を交わしつつ、次の駅で降りる。
先輩と駅で合流して、アポ先まで偶然、部長に会った話しをする。
僕
「さっき、部長に会いましたよ!めっちゃ偶然やったんですけど、
あんな時間に何であんな電車に載ってたんですかね?」
先輩
「……。そろそろ話しといた方がいいかもなぁ…。
部長は今月で辞めはるねんか。」
僕
「はっ?何言ってるんですか?」
先輩
「かなり急な話しやけど、前から決めてはったみたいやし、
最近の動き方みてたらわからへんかった?」
全然気付かんかったけど、今から思えば妙にそっけなかったり、
仕事も一人で離れた場所でやったり、一緒にご飯に行く機会も
減ってました。
それでふと、つい先週にそろそろ真面目な話しをしようかって
言われたことに気付きました、てっきり、今後の身の振り方の話しやと
思ってたのに…。
その後の営業でも心の中ではちょっとうわの空で
帰りに先輩が詳しく話してくれたり、今後の身の振り方とかも
話してくれました。
会社に帰ったら、部長に呼び出されて
部長はそういうことになったって話してくれました。
沈黙が続く話し合いで、こういう雰囲気はめっちゃ嫌いでした…。
ちょっと泣きそうになったし、もともと部長が誘ってくれたから、
この会社で働きたいと思ったようなものやし、
一から社会人としての基礎を教えてくれたのも部長やし、
就職活動中にいつも1時とか2時に返信が返ってきて、
あ~やっぱベンチャー凄いなぁって思ったのも部長がきっかけやし、
たった6人の事業部を引っ張ってたのも部長で、
とりあえず、話す言葉が見つかりませんでした…。
部長はこれまでは僕や先輩が道をある程度切り開いて、
ちょっとあぜ道を作ってその上を歩かせてあげてたけど、
今後は道の入り口は切り開いてあげるけど、
その後は自分で道を作っていきなさい、今後の会社と社長を
宜しくねって言い残してくれました。
とても複雑な気持ちで、うまく処理できませんでした。
でも部長には感謝の気持ちでいっぱいです。
自分のやりたい事をとった部長は自分に正直だったし、
それが正解だったと
思います。
部長ありがとうございました。